2016年4月現在、熊本県をはじめとする九州震源の大きな地震が相次いでいる。これを機に再び地震や災害への備えについての情報がシェアされはじめている。私からは防災科研の強震モニタExtension、そして東京防災のKindle/iBooks版(いずれも2016年4月現在無料)を紹介したい。
Contents
Google Chromeユーザならまずは入れておくべき、防災科研の強震モニタ Extension
強震モニタ Extensionとは
強震モニタとは、防災科学技術研究所が提供しているWebサービス。
強震モニタは、防災科研が全国の強震観測網(強い揺れを記録するための地震計のネットワーク)の地震計で観測した今現在の揺れを、そのままに近いかたちで配信しているWebサービスです。
「最大加速度」や「リアルタイム震度」といったデータを、揺れの大きさに応じて青から赤の点で地図上に表示し2秒毎に更新することで、動画として地震の揺れの伝わる様子が直感的に理解できるように工夫されています。青や濃い緑で表される揺れは人間には分からないほど微弱ですが、黄緑程度から人間に感じられる揺れとなり、橙から赤に近づくほど強い揺れになります。
強震モニタ Extensionとは、上記の強震モニタに通知など各種の機能を追加して、Google Chrome上で動作するようにした拡張機能だ。Chromeを閉じているときでもバックグラウンドで動作しつづける。
緊急地震速報だけではわからない細かい情報がわかって安心
地震速報系のChrome拡張機能はほかにもある。たとえば私はTwitter経由の緊急地震速報情報を流してくれるものを入れていたが、これは速報の情報しかわからないので、実際に揺れるかどうかわからず、鳴るたびに身構えなければいけない。
しかし、強震モニタの良いところは、画面にリアルタイムで実際の揺れが反映されるところ。緊急地震速報が出ても、モニタ画面を見ていて実際にどこがどの程度揺れているかが目視できるので、落ち着いて対応できるのだ。
有感地震が起きているときの表示はこんな感じ。点が黃緑色ぐらいになったころから身体に感じるようになり、黄色、赤になるにつれて大きな揺れとなる。
緊急地震速報が出た場合には、震源と報じられた地点に赤でバツが表示される。緊急地震速報は外れる(鳴っても大して揺れない)こともけっこうあるが、こうした場合にいちいち揺れに備えて神経をすり減らさなくていいのは、長い目で見てかなり心身の健康に寄与してくれる気がする。
最近の地震の履歴が見れる
「履歴」というボタンをクリックすると最近の地震の履歴が見れる。個々の地震をクリックすると画面上でリプレイが見れるようになっている。
好みで細かい設定がきいて便利
特に通知に関して細かい設定がきく。デフォルトではかなり小さな地震でも音が鳴り、すべての地域の緊急地震速報について通知するようになっているが、それでは神経が消耗してしまうので、私は以下のように設定した。
緊急地震速報を受け取る(ONにする)にはTwitterアカウントの認証が必要。設定ウインドウ下部分の「高度な設定」からTwitterアカウントを認証してからONを選ぼう。ちなみに、Twitterアカウントを認証してもデフォルトでは勝手に地震情報がツイートされることはない。
痒いところに手の届く通知
通知音や通知音声、通知をONにしている場合、このような至れり尽せりの通知をしてくれる。
- 設定よりも大きなエネルギーの地震が設定範囲内で起こると、「ピッピッ」と音が鳴る。
- 設定よりも大きな震度の地震が起こると、「○○県、予想震度○、マグニチュード○」などと喋ってくれる。
- 設定よりも大きな地震が起こると、情報をポップアップで表示してくれる。緊急地震速報の場合は震源とされる地点の地図も表示。
緊急地震速報が出た場合、耳が聞こえる人の場合は、PCを離れても音声で情報が入り続けるのはとてもありがたいだろう。ポップアップで詳細情報が表示されるのも、視覚的にわかりやすくて非常に便利だし、耳が不自由な人にも役に立ちそうだ。
詳細・ダウンロードへのリンク
詳細説明やダウンロード先へのリンクはこちら。説明を読むとものすごく高度なことができるようだが、素人なので上記以上のことはさっぱりわからない。詳しい人はどんどん活用していただきたい。
強震モニタ Extension http://kyomoniex.web.fc2.com/
同内容のAndroidアプリ「強震モニタEx」DLはこちら
強震モニタ Ex https://play.google.com/store/apps/details?id=com.fc2.web.kyomoniex
iPhone向けサードパーティーアプリ「強震モニタビューワー」はこちら
上記と同内容のiPhoneアプリは残念ながら現時点では存在しない。
上記のような細かい設定などはできないが、同じ強震モニタのデータを使ったサードパーティーアプリがある。
強震モニタビューワー https://itunes.apple.com/jp/app/qiang-zhenmonitabyuwa/id667092278?mt=8
デフォルトで比較的大きな地震(予想震度震度4程度以上?)の地震を検知すると通知がくるような設定になっている。外出時は、ゆれくるやiPhoneデフォルトの緊急速報と合わせてこちらのアプリを入れておいて、何かしらの速報が鳴ったら強震モニタ画面をさっと確認するようにするのがよいだろう。
「東京防災」Kindle/iBooks版(2016年4月18日現在無料)
「東京防災」は災害から身を守るための心得が詳細に解説された300ページほどの防災ブック。冊子版が配布・販売されているほか、かねてよりこちらで無料にてpdfが公開されていたが、3月末からはKindle版とiBooks版が無料で配布されている。
ふぉーんなハナシ:災害に備えてDLしておきたい1冊 KindleとiBooksで無料配信中の「東京防災」 - ITmedia Mobile http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1604/15/news166.html
現在安全な環境にある人はぜひ今のうちにDLしておき、PCだけでなくスマホやタブレットでさっと見れるように備えておこう。データ量が大きく、DLにはWi-Fi環境が必要だ。
Kindle版のDLはこちら
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iBooks版のDLはこちら
賢い備えで、回避できる不安や恐怖は回避しよう
ひどい地震ばかり起こる日本だが、技術の発達によってほんとうに便利に乗り切れる要素も増えてきた。
昔は地震といえば突然前触れもなく揺れるのをなすすべもなく受け入れるしかなかったのが、今はたとえ数秒程度前とはいえ把握できるようになった。防災に関する情報も、スマホひとつ持っていれば災害時も簡単にアクセスできるようになった。
賢く備えて、避けることができる不安や恐怖、危険はどんどん避け、より安心・安全な日々を送っていこう。