ブログタイトル「decinormal」の定義、タイトルに採用した理由。
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decinormalとは
deci = 「10分の1 」、normal = 「基準の」で、「10分の1基準の」という意味。化学の専門用語で、decinormal solution というと「10分の1の濃度の溶液」という意味になる(重量比で、水1:物質9の量で構成された10の量の溶液)。
10分の1濃度の憂鬱
私は30歳を過ぎたころ、発達障害との診断を受けた。
- 日本人のおよそ10人にひとりがなんらかの発達障害を抱えている
- 発達障害のテーマカラーはブルー(autism blueと呼ばれる)
行き当たったこんな情報について考えていたら、私の頭には「私たちは10分の1濃度の青色をした溶液だ」というイメージが浮かんだ。
発達障害の原因についても、その本態についても、決定的なことはまだ解明の途上にある。わかっているのは、現在のところ一定の割合の人たちが、発達障害と呼ばれる何かを背負い、苦しんでいるということだ。
しかしよく考えてみると、人が背負わされるものは発達障害だけに限らない。ほかの障害や病気だって、遺伝子やら環境やらのいたずらで、くじ引きみたいに回ってくるのだ。どんな人も、この残酷な賭けごとから逃れることはできない。
突き詰めれば、人生上の苦しみは障害や病気だけではない。天災、厳しい社会状況、愛のない人間関係、老い…
私たちは、10分の1ほどの濃度のブルー、憂鬱を明滅させることで存在するのかもしれない。ずっと遠くから見たら、この営為は明け方の空に星がまたたいているかのように見えることだろう。
わたくしといふ現象は
假定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です―宮沢賢治「春と修羅」