【相談先一覧あり】 あなたは、つらいなら「助けて!」と叫んでいい ―Nobody Knows the Troubles I’ve Seen

この記事の所要時間: 754

あなたは、つらい、さびしい、死にたい、と思うなら、「助けて!」と叫んでいい。Nobody Knows the Troubles I’ve Seen という歌から人の弱さと孤独について説明し、家にいながら相談できる相談先を紹介する。

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あなたのつらさを、だれひとりわかってくれない世の中

あなたは、どんなキーワードで検索してこのページにたどり着いただろうか。

つらい。
さびしい。
助けて。
わかって。
死にたい。

人を相手にしては叫ぶことのできないそんな言葉を、絞り出すようにして打ち込むあなたの切実な心のうちを想像して、私も胸が苦しくなる。かつては私もそんな人間のひとりだった。

そんなあなたに、ある曲を聴いてもらいたい。

Nobody Knows the Troubles I’ve Seen

Nobody knows the troubles I’ve seen
Nobody knows my sorrow
Nobody knows the troubles I’ve seen 
Glory hallelujah
Sometimes I’m up, sometimes I’m down
Oh, yes, Lord
Sometimes I’m almost to the ground
Oh, yes, Lord
Oh Nobody knows the troubles I’ve seen
Nobody knows but Jesus
Nobody knows the troubles I’ve seen
以上の歌詞は動画からの宇樹による聞きなし。以下は宇樹による翻訳。
誰も知らない、僕の通ってきた困難を
誰も知らない、僕の悲しみを
誰も知らない、僕の通ってきた困難を
神に栄光あれ
 
良いときもあれば、うまくいかないときもあります
そうです、主よ
すっかりまいってしまうそうになることだって
そうです、主よ
 
ああ、誰も知らない、僕の通ってきた困難を
誰も知らない、イエスさまの他には
誰も知らない、僕の通ってきた困難を
神に栄光あれ
この歌はもとは出所不明の黒人霊歌のひとつだ。
 
黒人霊歌というのは、アメリカ大陸で奴隷として使われていた時代の黒人たちが歌っていたものだ。キリスト教的なものもあればそうでもない民謡的なものもあるが、これはキリスト教的なものに属する。
 
こうした歴史的背景を知り、たとえばアフリカの故郷から引き離され、アメリカのだだっ広い綿花畑で厳しい労働を強いられている黒人の労働者が祈るように歌っているさまなどを想像すると、さらに胸に深く響く気がする。

誰も知らない、あなたの通ってきた困難を

そう、誰も知らないのだ、あなたの通ってきた困難を。
 
誰も知らないのだ、あなたが、どれだけ意に反してそこに連れてこられたのか、あなたが今、どれだけ大切なものと引き離されながら、そんなことをさせられているのか。そこまでして、いったい何を守るために、そんな理不尽な試練に耐えているのか。
 
だからあなたはそんなにも孤独で、苦しんでいるのだ。だから過去の私は、あんなにも孤独で、苦しんでいたのだ。
 
上の曲では、「イエスさまの他には」誰も知らない、となっていたが、ここを、あなたなりに置き換えていいと思う。
 
「仏さま」でもいい。
「私の愛する人」でもいい。
「もう死んでしまった○○さん」でもいい。
「愛犬のポチ」でもいい。
「海」でもいい。「空」でもいい。
誰も何も思いつかなかったら、「わたし自身」でもいい。
 
そう、最悪の場合、あなたの困難を誰も知らない、あなた自身以外には。

だからあなたは、「助けて!」と叫んでいい

 でも、それがもし事実であるなら、それは他の人間みなも実はそうなのだ。
 
人間はみな、弱くて不完全な存在だ。そして、互いに見えないだけで、みながその人なりの、ときに眠れなくなるほどの、あるいは死にたくなるほどの、困難を抱えているかもしれない。
 
強そうに見える人がたくさんいる、だって? 大丈夫、そんなのは、その人が弱いゆえに、必死に強そうなふりをしているだけだ。
 
本当に強い人は、強そうにふるまう必要がない。たとえばわざわざあなたに、強くなれ、みたいなことを言ったり、そういう考えを押しつけてきたりしない。もしも世の中がそんな人ばかりに見えるなら、あなたは不幸にも、周囲にそういうタイプの人を抱えて生きてきてしまっただけだ。
 
そんなあなたはきっと、いままでの人生のなかで、強くなれない自分を責めてきたのだと思うけれど、そんなことをする必要はない。あなたは悪くなんかない。悪いのだとしたら、その、まやかしの「強さ」を押しつけてきた相手だけれど、もっとそもそもをたどれば、きっとその人も、いつかはほかの誰かの被害者で、ほんとうは誰も悪くなんかないかもしれないのだ。
 
みんながみんな、あなたと同じように孤独で、本当は誰かに助けてほしい気持ちを、自分や、目の前にあるキーボードや、その人なりの「イエスさま」以外の誰にも打ち明けられずに秘め続けているかもしれない。
 
だから、あなたは叫んでいいのだ。
 
「助けて!」
 
恥ずかしいことじゃない。この世の中は、人生の痛み苦しみ、困難のために「助けて!」と叫ぶ人を、嘲笑したり、軽蔑したり、揶揄したり、攻撃したりする人ばかりで成り立っているわけじゃない。
 
……残念ながら、そういう人たちはいまだにけっこう多くて、だからあなたはこうして苦しんでいるのだけれど。でも、少なくともこの世で今、ここにいる私ひとりだけは、あなたをあざ笑ったりしないと約束する。あなたの味方だと約束する。そして、こういうタイプの人間たちは、目立たないだけで意外とたくさんいるのだということも付け加えておきたい。

家にいながら相談できるいろいろな相談窓口の紹介

内閣府による、各種電話相談窓口リンク集

内閣府による、さまざまな電話相談窓口のリンク集。「電話相談」で検索するとトップ近くにヒットするページ。非常に多様で充実しているので、一度参照してみることをおすすめする。

相談窓口 - 内閣府 
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/link/soudan.html

各自治体の精神保健福祉センター電話相談

センターによってサービス内容が違うので一度サイトなどで確認することをおすすめするが、たいてい電話相談を行なっている。精神保健福祉士などが話を聴いてくれる。継続相談(担当を決めて毎度同じ人に聴いてもらうこと)ができないのが最大の難点だが、どうしてもつらいときなどに助かる。

全国の精神保健福祉センター一覧|メンタルヘルス|厚生労働省 
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html

各自治体の生活・心理相談

自治体配布のパンフレットや、自治体のサイトなどで参照できる。「生活相談」「こころの相談」「女性相談」「子育て相談」「法律相談」など、各種の電話相談や面談での相談が意外と充実しているので、一度調べてみるといい。

民間の各種メール・Skypeカウンセリング

最近は民間のカウンセリング機関などが、メールやSkypeでのカウンセリングサービスを充実させてきている。「メールカウンセリング」「Skypeカウンセリング」などのキーワードで検索してみてほしい。

注意してほしいのが、これらのサービスは提供側にとっても敷居が低いので、カウンセラーの質が玉石混交ということ。利用するさいには口コミやプロフィールをよく見て、信頼のおけそうなカウンセラーを慎重に選ぶようにしてほしい。

SNSでのピア支援

たとえば、上記のサービスを利用している間にどうしてもつらいときや、サービスを利用するうえで出てきた疑問を解消したいときなど、Twitterで私に声をかけてもらってもかまわない。私は心理の専門家ではないが、ピア(似たような立場にある・あった仲間)として、日常の中でできる範囲であなたの役に立ちたいと思っている。

https://twitter.com/decinormal1

その他、ピア支援を目的としたbotや個人・公式アカウントもいろいろあるので、探してつながってみてほしい。

あなたが「助けて!」と言えるようになりますように

あなたが「助けて!」と言えるようになるよう、私は勝手ながら、心から祈っている。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2016 Yoshiko Soraki
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