Contents
心身の疲れが体調・生産性悪化に直結しやすい発達障害者
ASD圏の人は、ちょっとした心身の疲れで体調を崩しやすい。
・疲れるとすぐ頭痛を起こす・眠くなる
・緊張しすぎると眠くなる ・気が進まない
・興味が持てないことをやろうとすると生産性が低下する
・机に本やノートを開いて向かったとたん眠くなる
こういったちょっとした不調が多く、仕事や作業、人とのつきあいなどで安定した体調やモチベーションを保てずに困難を感じている人は多いだろう。
血流の悪化による悪影響を受けやすい可能性
上記のような不調が出やすいのは、定型圏の人よりも生きるうえでストレスが多いという、環境的な要因もあると思う。しかし、もともと脳内伝達物質や自律神経系のバランスがややおぼつかなかったり、体幹の筋力が弱かったりという、どちらかというと器質的な要因も大きいのではないかと思う。
たとえば、以下のようなことが起きているのではと勝手に分析している。
緊張する→交感神経の興奮によって末端の血行が悪化→脳内の機能のアンバランスが悪化 机に向かってうつむく→筋力が弱いところに過剰な負荷がかかって首から上の血流悪化→脳内の機能のアンバランスが悪化
専門に解剖生理学などを学んだわけではないので、何か間違ったことを言っているかもしれない。しかしなんにしろ、ASD者は定型圏の人よりも筋肉や神経にちょっとした機能不全を抱えている率が高いということは言われているので、ASD者がちょっとした体内環境の変化で体調不良を起こしやすいというのは真実なのではないかと思う。
発達障害者の身体は繊細なレーシングカー
定型圏の人の身体を、それほど細かく気を遣わなくてもだいたい走ってくれる「オートマ車」とするなら、ASD圏の人の身体は繊細な整備や運転の技術がなければすぐにエンストしたり暴走してしまう「レーシングカー」といえるのではないだろうか。
であるなら、ASD者には頻回のケアが必要だということになる。レーシングカーがレースの途中でさえタイヤを交換や給油を行なうことがあるのと同じだ。安定して安全に走り続けるためのケアが必要なのは、車も人間も同じなのだ。
ポモドーロ・テクニックの実践で強制的に休憩時間を
では頻回のケアをどうやって行なったらいいのか?
ASD者の中には、過集中や注意散漫のせいで、一度なにか作業に集中してしまうと気がつけば数時間経っていた、という人も多いだろう。定型の人には1時間ごとの休憩がすすめられることが多いが、ASD者の場合は、30分以下の短時間で作業時間を区切ったほうが、過集中の進行自体を止められ、集中の度合いを平坦に近くできてよいのではないかと思う。
そこでおすすめなのが「ポモドーロ・テクニック」だ。
1.達成しようとするタスクを選ぶ
2.キッチンタイマーで25分を設定する
3.タイマーが鳴るまでタスクに集中する
4.少し休憩する(5分程度でOK)
5.ステップ2~4を4回繰り返したら、少し長めに休憩する―lifehackerより
ポモドーロ・テクニックの詳細が知りたい人は、上記の引用元URLをたどってほしい。実は私はまだ実践していないのだが(笑)、実践したら絶対に総合的な生産性が上がるに違いないと思っている。実践しようしようと思いつつできていないのは、それこそ過集中と注意散漫のためで、導入の具体的行動に出る前に何か目の前のことに集中してしまうことを繰り返しているからだ。
ポモドーロ・テクニック実践のためのタイマーアプリやブラウザ拡張機能はたくさんある。ぜひ検索してみてほしい。
Chromeウェブストアで「pomodoro」のキーワードで検索した結果はこちら。アプリや拡張機能がたくさんある。
iOS用のポモドーロ・タイマーはこちら。
Webアプリはこちら。 Tomato Timer http://tomato-timer.com/
休憩時間におすすめのエクササイズ
休憩時間にはエクササイズをする。エクササイズには、ストレッチの要素(血行改善)と筋トレの要素(体質改善)がバランスよく含まれていて、短時間でできるものをおすすめする。
筋肉なさすぎな人はまずピラティスから
ピラティスはヨガを源流として発達した、リハビリにも使われることのあるマイルドな筋力強化ストレッチ。「胸式ラテラル呼吸」という独特の呼吸法が特徴で、体幹の筋肉のバランスを整えながら強化していくので、体質改善と体力回復・強化にとてもよい。
胸式ラテラル呼吸は最初は難しいが、一度習得してしまえば簡単なのでぜひ練習してみてほしい。この呼吸を5回ぐらい行なうだけでもかなり効果的で、心身のちょっとした不調の悪化を防止できるか、不調自体解消してしまうぐらいの効果を発揮することがある。こちらの動画を参考に。
「ピラティス 入門」でググるとトップにくるのはこれだが、正直いって写真も説明もとても見づらい。動画を参考にするか、1冊本を買うほうがいい気がする。
Amazonで「ピラティス」のキーワードを使って検索するとこんな感じ。関連本を買うなら初心者向けから選ぶといいだろう。
ある程度筋肉がある人はタバタ・メソッドを取り入れて体力強化・ダイエットを
タバタ・メソッドとは日本人の田畑さんという方が開発したトレーニングメソッドで、先に欧米で爆発的な人気が出たのち、日本に逆輸入された。メソッドに従って計4分間の少しきつめのトレーニングをするだけで1時間の有酸素運動と同等かそれ以上のカロリーを消費できるということで、時間がかかりすぎるためにダイエットのモチベーションが上がらない人たちから高い人気を得ている。
少しきつい全身運動20秒+休息10秒 を8セット で4分間。これがタバタメソッド。仕組みは簡単だが、ひとりでストップウォッチなどを使いながらやるのはとても難しいため、専用のタイマーアプリなどがたくさん出ている。
私が愛用しているのはここのWebアプリ。
タバタタイマー タバタ式トレーニング
http://www.tabatatimer.com/index.php?lang=jp
ほかにもスマホ用アプリなどいろいろ出ている。好きなものを使ってみてほしい。私はこれを1~2日に1セットやることで、2キロぐらいストンと落ちた。
やる運動は全身の筋肉を使うスクワットがおすすめ。私は相撲スクワットを中心にやっているが、かなり筋力がついて、階段の登り降りのときにふらつくようなことが少なくなった。バレエの心得がある人は、バレエの腕のポジションをいくつか組み合わせながらやると、肩から二の腕のシェイプアップにもなる。
本当はいま流行りの30日スクワットチャレンジに挑戦したいところだが、もともと小さいころから激しく運動不足でもあった私には、毎日のタバタトレーニングの中でのスクワットだけでもう筋肉プルプル。とりあえず続いているだけで自分を褒めようと思っている。
頭を使ったぶんだけ身体を使おう
もうこれはほとんど自分に向けて言っているのだけど、人間、身体があってこその脳みそなのだから、頭を使ったらそのぶん身体を使い、メンテナンスしてやるべきだと思う。
頭が疲れて眠くなったときは、昼寝する前にとりあえず5分か10分、ちょっときつめの運動をしてみるといい。ちょっときつめの運動は全身の血行に良い作用を及ぼすから、マッサージを受けるよりも安上がりで効果的だ。それで調子が戻ったらしめたもの。戻らなかったら諦めて寝ればいいと思う。
ほかにもおすすめのエクササイズや体調・時間管理方法があったら、Twitterの @decinormal1 までメンションしてほしい。
【追記:2015年9月5日】続編書きました
ポモドーロ・テクニックをすすめておいて自分で実践しないのもなんだと思ったので、今朝から実践してみている。すばらしいのであなたにもぜひやってみてほしい。詳細をこちらの続編に書いたのでどうぞ。おすすめのアプリやその設定方法を紹介している。