発達障害者の中には、特性上、靴ひもを踏んでコケたり、何もないところでつまずいてコケたりと、靴まわりで失敗したりイライラしたりする人が多いように思う。ファッション×発達障害の第四弾は靴。もうコケないためのヒント、靴の選び方、正しい靴のサイズの測り方をお届けする。
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ファッション×発達障害、第四弾は靴
シリーズ化してお届けしてきた「ファッション×発達障害」も第四弾となった。第三弾まではこちらで読める。
靴ひもを踏んでコケる、何もないところでコケる!
個人的な感覚なのだが、発達障害者には靴ひもを踏んでコケる確率の高い人が多い気がする。ASD特有の不器用さで靴ひもがうまく結べないとか、ADHDだと靴ひもが緩んだりほどけたりしていても「しゃらくせえー!」という感じでそのまま走り回るとかで、結果そのうちうっかりコケるのだ、たぶん。
あとはこの観点を持っている人は少ないと思うのだが、「実は足の幅が細い→靴の幅が広すぎてガバガバする→不注意もあいまって何もないところでコケる」というケースが、発達障害者には多い気がする。
靴まわりの環境調整がうまくいかなくてコケたりイラついたりしている発達障害者は実はけっこういると踏んでいる。というわけで今回のテーマは「靴とどうつきあうか・靴をどう選ぶか」だ。
靴ひもが邪魔くさい!
靴ひもがともかく邪魔くさい。簡単に結べてほどけない結び方、そもそも結ぶ・ほどけるの対応をしないですむ靴ひもを紹介する。
2秒で結べる「ほどけない結び方」イアン・ノット
世界的に有名なイアン・ノット。慣れれば普通の蝶結びよりも速く、2秒で結べるとの触れ込みだ。確かに慣れると速くて簡単だし、歩いていてもほどけない。かといって意識的にほどこうというときはサッとほどけるので、ものぐささんも覚えておいて損はないだろう。
そもそも結ばないからほどけないしイラつかない靴ひも
ゴムひもでできた、普通に結ぶタイプの靴ひもも人気だが、それだとほどけてくる心配がある。その心配を解消してくれるのが、結ばなくてすむ靴ひもだ。
靴の脱ぎ履きのときにいちいち屈んでやるのってものすごく面倒くさくて、実は地味に出不精の原因だったりもすると思うのだが、これならスポッと履くだけであとは気にしなくていいので楽ちんだ。以下の商品はスポーティーな印象があるのでさすがに革靴にはしんどく、その場合はゴムひもタイプを選ばざるをえないとは思うが。
↓これは伸縮素材でできたひもに等間隔で小さなコブがついており、それが靴ひもを通す穴にひっかかって、通しっぱなしにしておいても緩んだり抜けたりしないという商品。スポーティーなスニーカーに蛍光色なんかを合わせるとおしゃれになりそうだ。
↓これは巾着についているようなプラスチックの金具(? プラスチックの金具? プラスチック具?)で締める靴ひも。脱ぎ履きのたびに緩めて締め直す手間はあるが、これもこれで便利そうだ。反射材が縫い込んであるので夜間も安心。
ちなみに、こういう↓金具だけも手芸屋や100均で売っているので、それを買って既存の靴ひもにつけてしまうのも手だ。ひもの太さや材質によってきっちり止まらないリスクがあるので注意。
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スニーカー愛用者はぜひ自分の好みに合わせて選んでほしい。伸縮素材なので感覚過敏的にアウトな人もいると思うが、伸び縮みしない靴ひもの局地的なゴロゴロ感が苦手な人、伸縮素材による圧迫感が苦手な人、いろいろとタイプがいると思う。
もしかして靴のサイズ合ってなくない?
実は、日本人の平均の足幅は実際に広く売られているEEやEよりも細くなってきているとも言われている。自分の足を幅広だと思い込んでいる人の中には、実は幅狭だったという人がけっこういる可能性がある。
私は高校大学ぐらいまで「自分の足は幅広」だと思い込んでいた。「どんな靴を履いてもつま先がきつくなる」からだ。しかし、20代なかばになってちゃんとシューフィッターに足を計測してもらったときに、実は私の足はCウィズかDウィズで、むしろ細めだったことが発覚。驚愕した。
幅狭なのに「靴がきつくなる」のは、細い足が靴の中で固定されずに前滑りし、そのせいで前の捨て寸がなくなってしまうから。この感覚のせいで実際は幅狭なのに幅広と勘違いしている人がたくさんいると、シューフィッターさんは言っていた。合う靴を履いて初めて知った感覚だが、靴というのは本来、サポーターのようにぴったり足に寄り添うものなのだ。
発達障害者の中には、筋力が弱くどちらかというとひょろひょろした体型の人がいたりする。私もそのタイプで、足にも筋力がなくひょろひょろだったのかもしれない。だとすると、発達障害者には幅狭足の人がたくさん眠っていたとしてもおかしくない。
私は走るのが極端に遅かったのだが、それは身体や筋肉の使い方がうまくないだけでなく、靴がいつもガバガバしていたのも一因だったのではないかと、今では思っている。
自分の足の正確なサイズを知ろう
発達障害者だろうがなかろうが、幅狭足、普通幅足、幅広足の人がいるだろう。いずれにしろ、一度自分の足の正確なサイズ(足長、足幅)を正確に知っておくことは大事だ。幅広足でも、幅がきつくないものを探していたら足長の大きいものしかなく、幅は合っていても足長が長すぎるからいまいちフィットしない→ コケやすい という事態も起こる。
スニーカーメーカーのニューバランスでは、プリントアウトして足長と足幅を測れる計測用の用紙と、足長と足幅から割り出すサイズ対応表を公開している。ニューバランスの独自基準ではあるが、少なくとも自分の足が標準よりも幅狭なのか幅広なのかといったおおまかな傾向はつかめるので、使わない手はない。ちなみに私の足はこの計測方法とサイズ表によれば、22.5cmのDウィズである。
足型計測用紙
ウイズ計測|ランニングアドバイス|ランニング|New Balance Japan
家庭で手軽にプリントアウトして計測することができる。実は左右の足長がけっこう違うことなど、いろいろ発見があるだろう。理想はまっすぐ立った状態で誰かに測ってもらうことだが、気をつけて測れば一人でもそれなりの計測ができる。
足のサイズ表
https://www.newbalance.co.jp/running/advice/pdf/size_table.pdf
測った足長と足幅の値から、何cmの何ウィズの靴が合うのかを割り出してくれる対照表だ。
ワイズ展開豊富なスニーカーメーカーの代表はニューバランス
ニューバランスは日本で手軽に手に入るスニーカーメーカーの中でも豊富な幅展開をしているので有名だ。ウィズも検索条件に含めて検索できるのでとても便利。
たとえば「ウィメンズ 23.5cm Dウィズ」で条件指定検索した結果がこちら。
商品一覧(全商品) | shop new balance|ニューバランス公式ショップ
現在のところ残念ながらウィメンズで2Aウィズの商品はないようだが、Bまでなら商品がたくさん見つかる。もちろん幅広ウィズの展開もある。
↓ニューバランスのシューズはAmazonでも買える。こちらは2016年秋冬モデル。私はグレーのものがちょっと欲しい。
次回は時計、財布
第五弾は時計と財布になる予定。2回に分けるかもしれない。お楽しみに。