外出に不安のある発達障害者が事前にパートナーにお願いしておくべきこと

この記事の所要時間: 414
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想定外のできごとですぐに調子を崩しがちなASD者

今日は体調が悪い。持病の偏頭痛が出てしまったのだ。原因は、疲れていたところへ、所用での外出が想定外に遠出になったから。

夫と一緒になってもうしばらくたつのでだいぶん少なくなってきたが、それでもたまに事前の意思疎通の不足による体調トラブルが起こってしまうことがある。

自閉症スペクトラムに位置する特性の持ち主には、感覚過敏やこだわりがあり、これから起こることが前もってはっきりわかっていないと不安だという人が多い。外出で遠出をしたり環境が変わったりすると、すぐに偏頭痛やパニックなどの発作を起こしてしまう人もいる。あなたはどうだろうか?

自分の特性を把握しておく

私の場合、まずは自分の特性をなるべく具体的に把握しておく。どんなことが不安なのか、どういう環境でどういう不調が出がちなのかなど。現在把握している自分の特性は以下のような感じだ。

  • 規則性が把握しづらい乗り物にストレスを感じる
    (たとえば電車よりもバスやタクシーのほうが苦手)
  • 音、ニオイ、光、暑さ寒さなどの五感の刺激の強い環境が苦手
    (持病の偏頭痛につながるリスク)
  • ロングスリーバーで最低7時間半、理想的には9時間以上寝ないと体調を崩しやすい
  • 頻尿傾向で、1時間もたないことがある
  • 突発的な予定変更が苦手
    (あまり急だと静かなパニックを起こし、発話が難しくなることがある)

不安や不調を予防・軽減するためにとれる対策を考えておく

特性を把握したら、そこからくる外出時の不安や不調を防いだり軽くしたりするためにどんな対策がとれるかを考える。私が考えた対策はこんな感じだ。

  • バスやタクシーよりもできるだけ電車を使う
    (こだわり的にも頻尿的にも安心感が強い、揺れの刺激も規則的なので偏頭痛傾向にも優しい)
  • 耳栓、サングラス、マスク、日傘、上着などを用意する、なるべく楽な服装を選ぶ
    (五感への刺激を和らげる)
  • できれば数日前からはたっぷり寝て、極力心身の無理をしないようにする
  • 事前に予定をはっきり把握しておく
  • 万一体調が悪くなったときの「保険」を用意しておく
    (頓服薬、鬼太郎袋、救急車騒ぎのときのための診察券や使用中の薬リスト、最低限のお金、緊急連絡先の入った携帯など)

事前に「協力してね」とお願いしておく

自分でとれる対策が固まったら、それが実行できるように、「私はこうで、こういう対策が必要だから、こうしてね」という形でパートナーに協力をあおいでおく。私がふだん夫に頼んでいるのは以下のようなことだ。

  • 半日以上になる外出の予定があったら最低3日前までに教えてね
  • どういうところをどのくらい歩くのか、どんな乗り物にどれくらい乗るのか教えてね
  • 行き先がうるさかったりまぶしかったり臭かったりするようだったら教えてね

こんな感じだ。頭の中に浮かんだお願いを書き留めて整理してみよう。

今回の失敗の原因

今回の失敗は、われわれが今回行った行き先がどれくらい遠いのかを私が把握していなかったこと。夫はけっこう十分な情報を私に与えてくれていたのだが、私の理解度は夫の想定以上に低かった。

「今度Bに行くからね。Aに寄ってからBに行くよ」と夫は私に伝えてくれていて、また別のときに、「Bって遠いんだよね、2時間ぐらいかかるんだ」とも言っていた。

普段の私ならこれらの情報を総合して「うちからBは2時間かかる」と理解する。しかしここしばらく疲れていたため、もともと地理に疎い私はそれができず、勝手に「BはAのちょっと先」と解釈していたのだった。

だから今後はわが家では、夫へのお願いに以下をつけたすことにした。

  • 乗り物に30分以上乗ることになりそうなときは教えてね

こうしておけば、今回のような「わかってるはず」のすれ違いはなくなるだろう。

あなた自身の「教えておいてほしいことリスト」を

あなた自身の「教えておいてほしいことリスト」をEvernoteにでも作っておいてほしい。なんならプリントアウトしてどこかに張っておいたり、これにチェックを入れながら聴き取りをすればさらに安心だろう。パートナーと一緒にこういうことを遊び感覚でルール化できたら楽しいだろうなと思う。

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