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リモコンの操作ができなくなったことを隠すために「エアコンの風が嫌」と言う高齢者がいるらしい
発端になったのはこのツイート。医師からの新聞への投書を拾ったもの。
リモコンの操作ができなくなったことを隠すために「エアコンの風が嫌」と言ってる高齢者もいるってことか…… 家電メーカーは商機じゃね? 多機能よりわかりやすさを謳うエアコンがあってもいいと思う pic.twitter.com/jP3n3AkCpx
— Masaki☆ (@masaki_kkmt) August 13, 2015
このツイートはたくさんRTされ、これをきっかけにしてたくさんの人が「こんなエアコンがあったらいい」ということをツイートした。私もこれに乗っていろいろツイート。
高齢者用スマホが出てきてるんだから、高齢者用エアコンが出てきてもいいと思う。スマホよりエアコンのほうが命にかかわるし。健康状態を監視する機能とか、見回りサービスみたいなのをオプションでつければ、鬼のように売れるんでは? https://t.co/NZzl4ucY2V
— 宇樹義子(そらき・よしこ) (@decinormal1) August 17, 2015
なるほど、その場凌ぎにはシンプルな汎用リモコンでいいのか。でも長期になると紛失だけでなく電池代えられないってリスクもありげ。だから、もう昔のみたいに、シンプルなリモコンがケーブルで本体とつながってて、本体に電気供給されてる限り大丈夫っていうタイプの安価なかんたんエアコンキボンヌ。
— 宇樹義子(そらき・よしこ) (@decinormal1) August 18, 2015
今はなんでもリモコンがあまりに普通だから考えることもなかったけれど、そもそも、リモコンというのは「離れたところから操作できたら便利だろう」という考えからできたもの。このメリットがデメリットを上回るようなら、リモコンが本体と切り離されてる必要なんて本来ないのだった。
リモコンというもののデメリット
私が考えてみた限り、高齢者にとってのリモコンのデメリットは以下であった。
- なくすと本体の操作手段がほぼない
- 電池が切れるとないのと同じ
- 間違えた操作をしやすい(冷房のつもりが暖房を入れる、熱中症の危険があるのに感覚が鈍っていてつけないなど)
ここでふと思いついた。これは確かに高齢者にとってもデメリットだが、われわれ発達障害者にとってもデメリットなのではないか。われわれ発達障害者には、個人にもよるが、こんな傾向を持っている人がけっこういる。
- 片付けられない、ものをなくす
(主にADHD・ADD)
- ものごとを先延ばしにする
(主にADHD・ADD)
- 発話の問題や二次障害で買い物に困難を感じる
(主に高機能自閉症・アスペルガー症候群)
- 不注意・手先の不器用さで操作を誤る
(全般)
- 感覚鈍麻があって体調や気候の変化に気づきにくい
(全般)
- 体温調節がうまくできない
(全般)
どうせならあらゆる潜在弱者に優しいユニバーサルエアコンを
高齢者の不便に寄り添うエアコンは、発達障害者にも優しいだろう。発達障害者に優しいエアコンは、行動や動作、感覚などにちょっとした不便を抱えているほかの軽度な障害者にも優しいだろう。
このあたりの条件を満たすエアコンの機能としては、私の考えた限りではこのような感じだ。
- リモコン操作がシンプル
(オンオフボタンのみ、つけると自動で適切なモードで運転)
- リモコンのボタンは認識しやすく操作しやすいデザイン
- リモコンは本体下の壁に固定、本体とケーブルでつながっている
(リモコンの電源は部屋の電気供給が途絶えないかぎり確保される)
- 本人が気づかない気候上の危険や、できれば体調不良などをセンサーで検知して警報を鳴らす・自動的に安全な環境にする
- オプションで24時間の見回りサービスなどがつく
(自治体が提供している緊急呼び出しボタンのシステムや、メールがくる電気ポットのシステムなどを参考にする、またはタッグを組む)
- できれば基本セットは安価、または補助金が出る
- できれば掃除がいらずメンテナンスが簡単
どうですか、各電機メーカー様。初めから周辺サービスまで含めて100点のものを作るのは難しいかもしれないし、私は経済的コストのことをまったくわからないで言っているのだけれど、少なくとも「シンプルが親切」というところに方向転換していく、あるいは立ち帰る価値はあると思います。
採算がとれそうだったら、ぜひ周辺サービスを充実させていってほしいです。優れた技術やアイデアというのは、生活を便利にするだけでなく、生活の様式、人々の生き方自体をいままでにはない新しいものに変えるものだと思います。
Appleの製品が人々の生活様式を変えたように、エアコンが独居の人々の生活を変え、命を守るものに変わる日も近いのではないでしょうか。