ヒルデガルトの勧めたクベバ(Piper Cubeba)と、リツェアクベバ(Litsea Cubeba)の違い

この記事の所要時間: 739

ビンゲンのヒルデガルトや薬草学、アロマなどの文脈で「クベバ」というと複数あり、混同しがちだ。興味のある人のために、クベバ(Piper Cubeba)とリツェア・クベバ(Litsea Cubeba)の違い、それぞれの詳細プロフィールと歴史をまとめてみた。

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きっかけはビンゲンのヒルデガルトへの興味

私はカトリックのクリスチャンで、さまざまな理由でビンゲンのヒルデガルトを守護聖人のひとりとしている。

ビンゲンのヒルデガルトは中世ドイツの修道女。ドイツ薬草学の祖とされている。2012年にバチカンから聖人として認められたが、それまでの間も熱烈なファンが多かった。彼女の独特の料理レシピやハーブのレシピは、ヨーロッパ的なものや自然療法、ハーブなどに惹かれる人々を魅了しつづけている。

私は標準医療を大事にする人間だが、以前はアロマやハーブ関連の民間資格も持っていた。あくまで趣味的なものとして自然療法の世界に触れている現在も、ヒルデガルト関連の著作に触れることは多い。

ヒルデガルトがその著作の中で紹介している香辛料のひとつに「クベバ(ジャワ長胡椒、 学名Piper Cubeba)」がある。興味をそそられて検索してみたものの、出てくるのは「リツェア・クベバ(メイチャン、アオモジ)、学名 Litsea Cubeba」が大半。掘り下げてみると両者の違いが面白かったので、マニアックな情報としてまとめておく。

クベバ(Piper Cubeba)とリツェア・クベバ(Litsea Cubeba)の違い

属する植物科

クベバ:コショウ科
リツェア・クベバ:クスノキ科

主な産地

クベバ:ジャワ、スマトラなどのインドネシア諸島
リツェア・クベバ:中国

使用目的

クベバ:実をスパイスとして、実の精油を香料として
リツェア・クベバ:実の精油を香料として

香り

クベバ:刺激的でオールスパイスと黒胡椒の中間のような風味
リツェア・クベバ:レモン様で、レモングラスのような爽やかな香り

歴史への登場

クベバ:最古の言及は紀元前(テオプラストスによる)
リツェア・クベバ:中国で香辛料として用いられてはいたが(詳細不明)、最初の精油抽出は1950年代

クベバ(Piper Cubeba)の詳細プロフィール、歴史

ビンゲンのヒルデガルトが触れていたクベバ、お酒のジンに配合されているクベバはこちらのこと。

クベバ(Piper Cubeba)のプロフィール

学名:Piper Cubeba
科:コショウ科
英名:Cubeb, Java Pepper, Tailed Pepper
和名:ジャワ長胡椒(※)、ヒッチョウカ(畢澄茄)
産地:ジャワ、スマトラ 

※Long Pepper(Piper Longum、ヒハツ) とは別種
Javanese Long Pepper(Piper Retrofractum、ヒハツモドキ、沖縄方言でピパーズ、フィファチなど)とも別種

実は黒褐色から黒で、皺がある。仁は白い。刺激的で辛く、わずかに苦い。オールスパイスと黒胡椒の中間のような味。

実の精油は針葉樹のような香りを持つモノテルペン類を多く含む。

歴史

クベバはヨーロッパには、中東との交易のなかでインドからもたらされた。cucebの名はアラビア語のkababaからきているが、起源は不明。中世ヨーロッパでは調味料のひとつだったが、ポルトガルの王が黒胡椒の売り上げを伸ばすために流通を禁止したことがある。19世紀ヨーロッパで医療用として短期的な復活をみせるが、以降市場からは実質消える。現在のヨーロッパではジンやタバコの香りづけ用として、インドネシアでは調味料として使われている。

非常にポピュラーなジンのひとつ、ボンベイサファイアの原料として発表されている「ヒッチョウカ」とはクベバのことである。

※ジンは薬草学マニアとしては非常に興味のそそられる飲み物だ。古くから魔除けに使われてきたハーブ・スパイス類(代表はジュニパーベリー)が使われており、古くは医療用であった。こうしたリキュール類の出処をたどると、多くは修道院である。

クベバには、古くはテオプラストス、中世には千夜一夜物語による言及がある。17世紀後期にカトリック神父がエクソシズムについての著作の中で、悪魔(淫魔インキュバス)が嫌がるものとして言及している。

医療用としては、アーユルヴェーダ、中国医学、チベット医学、中東医学などの文献で世界的に広く言及されている。

2000年には日本の資生堂が、クベバ(ヒッチョウカ)を含むハーブが配合されたアンチエイジング商品のラインで特許を取得した

スパイスとしてのクベバの実はこちら。

クベバの精油はこちら。

※植物精油は非常に高濃度の揮発性有機化合物。使用の場合は必ず1%以下に希釈して外用のみにとどめること。

リツェア・クベバ(Litsea Cubeba)の詳細プロフィール、歴史

アロマテラピー界隈でクベバというとだいたいこちらのことと思われる。

リツェア・クベバ(Litsea Cubeba)のプロフィール

学名:Litsea Cubeba
科:クスノキ科
英名:Aromatic Litsea, May Chang, Chinese Pepper(※), Exotic Verbena, Tropical Verbena
和名:アオモジ、山胡椒、山鶏椒
産地:中国

※山椒の英名を同じくChinese Pepper と言うが、山椒とは別種

実はレモン様の爽やかでフルーティーな香り。レモングラスから甘さを抜いたような香りと言われる。

リツェア・クベバ(Litsea Cubeba)の歴史

中国料理で香辛料として使われていたようだが、詳細は不明。ヨーロッパで認識されるようになったのは、1950年代に初めて精油が抽出されてから。

精油はシトラールを高濃度で含む。その他、基本的に高価な精油にしか含まれないゲラニオールなどを含み、リーズナブルながら香りがよく効能も期待しうる精油として人気が高まりつつある。

↓以下はAEAJ(日本アロマ環境協会)の認定条件を満たしたリツェアクベバ精油の中で、記事作成現在最も安価なようだ。

※植物精油は非常に高濃度の揮発性有機化合物。使用の場合は必ず1%以下に希釈して外用のみにとどめること。

枝にも香りがあり、爪楊枝に加工される。

参考資料

http://bonga-spice.com/index.php?%E3%82%AF%E3%83%99%E3%83%90

https://en.wikipedia.org/wiki/Piper_cubeba

http://aroma-astrology.seesaa.net/category/8331743-1.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%B8%96%E6%96%99%E7%90%86

http://www.aromaterapia.jp/2071/11/post_140.html

http://gkzplant2.ec-net.jp/mokuhon/syousai/ragyou/ri/ritoseakubeba.html

http://www13.plala.or.jp/aromapia/e.o-mametisiki-back/e.o-03-09-09.html

http://nature-guidance.com/ITMP/eo-rit-10.html

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