【ファッション×発達障害1】タイプ別:見た目も感覚も合格点のワードローブ実現のヒント

この記事の所要時間: 1319

こだわりや感覚過敏などの点でファッションに悩む発達障害者はけっこう多かろうに、発達障害者のファッションについて詳しく触れる情報があまりないことに気づいた。今後シリーズ化して届けていきたい。1回めは洋服編。

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発達障害者のファッションへの態度はちょっと極端?

個人的な印象に過ぎないのだが、発達障害者のファッションに対する考え方は基本的に、見た目やファッション性に「こだわりすぎる/こだわらなさすぎる」の両極端に偏っているような気がする。こだわらなさすぎる場合、その人は大抵はもっと他のことにこだわりすぎている。興味の対象が限局されているのは、発達あるある、特にASDあるあるな気がする。

これとは別に、こだわりたいけど感覚過敏がひどすぎてファッション性を二の次にするしかないから結果的にこだわっていないように見える、という人もいる。

私は、こだわりすぎるタイプだ。ファッションは、文章を書くことの次にこだわっていることの一つで、たまにガチガチにこだわりすぎてグッタリ疲れ果ててしまうほどこだわっている。こだわりたくてこだわっているのではないのにやめられない、というのも自閉的こだわりのあるあるだ…

ファッション診断のコンサルタントでもやればこのこだわりも報われるのだろうが、今のところ無駄に疲れるだけになってしまっている。悔しいので、せめて仲間に少しでも私の持っている情報や経験を役立ててもらいたいと思い、この記事を書くことにした。

ファッション診断でワードローブを絞ろう

洋服ジプシーに陥る人は情報量を処理しきれていない?

いつも洋服を選ぶのに異常なほど時間がかかってしまうとか、服が増えて増えて困るのにいざ着ようとすると着る気になれるものがない、という人は、基本的に情報・商品過多の世の中に生きている中で情報処理が追いついていないのではないかと思う。

以前は私もそうだった。自分に何が似合うのかわかっていなかったのと、実家の母から「もったいないもったいない」といろいろなお古を押しつけられてそれに反発できずにいたため、服が山ほどあるのにいざ着るとなったら着られないものばかりだった。このため、出かける準備に半日かかることもあったし、クローゼットは溢れて部屋もぐちゃぐちゃ、床も見えないほどだった。「自分はだらしなくて片づけられない人間なんだ」と思い込んでいた。

しかし、実家を離れて自分の好きなように部屋を管理できるようになると、ほぼまったく散らからなくなった。そこで、それまではものの所持量が自分の処理できる量を超えていただけだということに気づいた。

それからは、モノに関しても服に関してもどちらかというとミニマリスト傾向だ。モノの量は収納の大きさに合わせるようにし、ひとつ買えばひとつ処分するようにしている。

人によって処理の上限は違うと思うが、特性上生活がぐちゃぐちゃして困っている人は、「自分が処理できるモノの量」を意識してみると何か変わってくるかもしれない。

だったらまずワードローブを絞ろう

ということで、ワードローブを絞ろうという話だ。しかし、絞ろうにも「自分にどんなジャンルのファッションが似合うのか」がわかっていなければ、クロゼットの思いきった断捨離には踏み切れない。宇樹がいくつものファッション診断を経て現在のところ最も説得力を感じているファッション診断を紹介する。

※ファッションタイプ診断は残念ながら男性向けの情報が少ない。本もネットの情報も非常に少ない。申し訳ないのだが、それでも3タイプの骨格診断の判断基準は男性にも参考になる部分があるので、気になる人は参照してほしい。男性向けの3タイプ骨格診断をやっているコンサルタントも探せば出てくる。

宇樹のイチオシ「3タイプ骨格診断」

私は、カラー診断、大草直子の「考えるおしゃれ」、政近準子の8タイプのファッションテイスト診断… などいろいろ経てきて、現在のところ「3タイプ骨格診断」に最も説得力を感じている。

ネットで自己診断できる簡単なチェックリストはこちら。

無料骨格診断・骨格スタイル分析【カラーナビ】
http://www.colornavi.net/kokkaku/

公式本はこちら。

カラー診断だけはもう10年ほど前にプロの診断を受けていて自分はオータムだとわかっていたのだが、この診断で似合うはずのカーキや、ざっくりとした素材感のある生地がいまいち垢抜けないことにずっと引っかかっていた。

3タイプ骨格診断では自己診断でストレートなのだが、これでようやくしっくりきた気がしている。カラー診断は肌色が映える色選び・それにマッチする素材感を最優先にしているため、全身のバランスを見たときの雰囲気のマッチに関しては限界があるのだと考えている。

私は昔から、黒やサックスブルーといった、カラー診断でいえば似合わないはずの色が似合うと周囲から言われていたのだが、骨格診断のストレートさんはかっちりしたスタンダードな雰囲気を感じさせるものが似合うらしく、納得がいく。こうした「全身の雰囲気とファッションをマッチさせる」という考え方からすると、カジュアルでスポーティなイメージのあるカーキ、リラックス感のあるざっくり素材はストレートさんに似合わない、となるのでやはり納得がいく。

骨格診断系で、7タイプに分かれているものもある。これは3タイプと共通して「ストレート」と「ウエーブ」があるので上記の3タイプをベースにさらに細かく分けたものなのかと思ったが、どうやら少し判断基準が違うらしい。

この本は「例が外国人モデルだったり判断基準が感覚的だったりしてわかりづらい」というレビューもあるし、3タイプと比べて知名度も低いようだ。私もこの本の判断基準はちょっとイマイチだと思っている。3タイプの骨格診断をきっちりできていればまずは「とりあえずハズレではない」服が選べるようになると思うので、あまりこだわらない人は3タイプだけ参考にすればよいだろう。

さらにこだわりたいファッショニスタとか、3タイプでストレートの人で「ハズレではないけどいまいちしっくりこない」という人は、7タイプにチャレンジしてみるといいと思う。7タイプではストレートを3タイプに分けているからだ。ちなみに私は7タイプでいうともしかすると「ハイファッション」の要素があるかもしれないと思っている。

自前で分析する、またはプロに任せる

私のように自分で調べまくることに喜びを感じるタイプは自前で分析するのもいいが、やはりああいった関連本やネットでの情報は読者がコンサルタントに流れるように流れるように書かれているので、おそらく最終的な決め手となるような超親切な情報というのは書いてくれていない。自己診断では誤診の可能性もあるし、プロのコンサルタントは本には書かれていないような細かいアドバイスをしてくれるだろうから、プロに任せるのも手だと思う。

相場は数万円といったところが主流のよう。ファッション診断はそれなりに値が張るが、その後無駄な買い物をしなくて済むようになるといった意味で長い目で見ると得だったりもするので、それぞれのコスト感覚で選んでみるといいだろう。

10着しか服を持たずにフランス人に…

フランス人は10着しか服を持たない、という本がここ数年でめちゃくちゃ売れている。続編やDVDまで出た。正直、DVDなんて要るか? 商魂たくましいな、と思わなくもないが、ファッション診断も経て自分の合格点の服の方向性が定まれば、各シーズンごとにトップス5枚ボトムス5枚程度に絞ることは不可能ではないと思う。

実践しているライターのさとゆみさんという人がいて、記事がものすごく面白くて参考になるのでこちらも紹介しておく。

10着しか服を持たなければフランス人になれるか【書アド検#5】|Sato Yumi|note
https://note.mu/satoyumi/n/ne917bb2e54d8

彼女の解説によれば、「ジャケットやコートはカウント外にしていい」「最初は20着でも15着でもいい」ということだ。ほかに、靴やバッグ、アクセサリーや巻物などもカウント外なので、そんなにきつい縛りではないのでは。

というか、これくらいでないと普通の大きさのクローゼットも余裕を持って使えないのでは。それに、1週間は休日入れても7日しかないのに、ワンシーズンにトップス・ボトムスそれぞれ10枚ずつ以上あったら、脳みそのメモリの小さい発達障害者はそれだけで混乱するぐらいではないだろうか。「服を10着しか持たない」は、実はすごく現実的なワードローブ管理方法な気がする。

いま試しに自分のクローゼットを見てみたら、秋冬ものとして着るつもりでいるトップス・ボトムスは、上のカウント方法からいくとトップス5枚、ボトムス6枚、捨てようか迷っているボトムスが2枚だった。

これくらいまで服を絞れると、クローゼットの中が少数精鋭ばかりになる。そうすると、いわゆる「私服の制服化」ができるようになる。これにはこれを組み合わせる。あれにはあれを組み合わせる。そのときにはアクセサリーはこれで、巻物はこれで、というところまできっちり決めておいて、なんなら曜日ごとに決めてしまえば、こだわりの強いタイプには特に楽だろう。突き詰めるならオサレに平置き写真でも撮ってInstagramとかにアップするとかすればファッショニスタ感満載だ。

私は完全在宅で仕事しているので曜日ごとの制服は必要がないが、平置き写真はそのうちやろうかと思っている。

骨格タイプ別 服の選び方

各タイプおすすめのプチプラブランド

似合うファッションタイプがわかったところで、手の届かない値段だったら意味がない。というわけで、タイプごとに似合う服の多い可能性の高いお手頃ブランドを挙げておきたい。

※もちろん、各ブランドの傾向がなんとなくこう、というだけで、似合わないデザインの服だってよくあるのでそこはきちんと考えて買ってほしい。

ストレートはユニクロ

ストレートは基本的にユニクロがいいとよく言われる。ベーシックなものが多いからね。

ストレートさんはVネック、シャツ襟のほかハイネックもいけるのだけど(タートルネックはアウト!)2016年はハイネックがトレンドのようで、ユニクロでもハイネックのものがたくさん出ている。

今年はビッグシルエットのシャツも多く出ているけれど、ストレートさんはビッグシルエットは基本アウトなので注意。

UNIQLO|ユニクロ公式サイト
http://www.uniqlo.com/jp/

この本がちょっと欲しいのだけど買っていない。

ウェーブはHoneys、IMAGE

自分がストレートで、ウェーブとは正反対のタイプなものだから詳しくわからなくて申し訳ないのだが、とりあえずHoneysは確かにウェーブ向きの甘めの味つけのものが多いように思う。

【ハニーズ公式通販】-Honeys Online Shop
http://www.honeys-onlineshop.com/shop/default.aspx

IMAGEもどちらかというとウェーブ向きが多い気がする。

カタログ通販のイマージュネット
http://www.st-image.com/

ナチュラルは無印良品

ナチュラルさんは無印良品がいい。麻などのざっくり素材で、ラインもゆるめのものが多い。これをストレートの私が着るとなんとも垢抜けない感じになる。

シャツなんかは丸襟だったりちょっとしたニュアンスが甘めだったりしてウェーブさん向けのものもある。

婦人ウェア | 無印良品ネットストア
http://www.muji.net/store/cmdty/section/T10000

感覚的にも合格点のファッションを身につけるコツ

ファッションタイプ診断で、「ファッション的にはこういうのがベスト」というのがわかっても、感覚過敏の問題でベストな選択ができないということも多い。そういうときには、「感覚過敏がいちおうクリアできていて、ファッション的にも合格点」な落としどころを探すといい。

私の場合は、カジュアルなTシャツにあるような詰まった丸襟や、タートルネック、ウールのチクチク、いかにも化学繊維の素材などが苦手だ。直接肌に触れるものについては必ず試着して、感覚的に耐えられるか確かめる。

ストレートの場合

ストレートの場合は、「シンプルで直線的なライン」「つかず離れずのサイズ感」であればまず合格点。フリフリしていたり、ピチピチであったり、ガボガボだったり、半端な長さでなければまずOKと考える。

つかず離れずのものが苦手でガボッとしたものしか着られない場合などは、とりあえずウエストマークすれば合格点になる。

トップスは基本的にボトムスにイン。出す場合はベルトなどでウエストマークする。パンツはローライズよりハイライズのほうがスタイルアップして見える。ローライズしかない場合はトップスを出してウエストマークでカバーする。

ウェーブの場合

ウェーブの場合は、「丸みのあるライン」が合格点。本には、シフォンやジョーゼット、フリルなど、感覚過敏的にちょっとしんどいものもあるので、たとえばトップスならシャツ襟やVネックやボートネックといった直線的な印象のもの(ストレート向け)よりも、丸襟や丸首のものを選べばOKだ。袖は丸みのあるフレンチやパフスリーブがぴったりハマる。「シャツ」っぽいものよりも「ブラウス」っぽい印象のものがいいだろう。

胸元が寂しい場合は、首に何かボリュームのあるものを巻くとスタイルアップする。アクセサリーがつけられるといいが厳しい人が多いだろうから、感覚的に許せるスカーフなどを用意しておいて、リボン結びなどで結ぶといいだろう。

ナチュラルの場合

ナチュラルの場合は天然素材が似合うので、無印のシルエットのゆるい、素材の柔らかいオーガニックコットンものなどをザックリ着れば合格点なことが多い。基本的にはきちっと着なければいけないストレートからすると羨ましい…

麻が特に似合うのがナチュラルだが、ごわごわしているものも多いので別に無理して選ばずとも、特に素材感のあるコットンなどを選んでおけばよいだろう。

次回は下着編

次回はやはり発達障害者がジプシーになる下着について書こうと思っている。乞うご期待。

感想や質問などは @decinormal1 まで。

追記:続編である下着編はこちら。

「ファッション×発達障害」の第二弾。今回は感覚過敏があっても着られる下着に出会うためのコツを紹介する。おすすめの下着の紹介や、どうしてもの場...
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