【追記あり】エイメン博士によるADHD/ADDの6タイプとその対処法

この記事の所要時間: 926
【2016年11月29日追記】 注意とお詫び
当該記事内で扱われているダニエル・エイメン博士が彼のクリニックで行っている独自の診断方法は、標準医療の立場からは広く批判を受けていることが判明しました。確定ではないですが、エイメン博士の提唱するADD/ADHD分類やそれに基づいたサプリの摂取は、十分な医学的根拠を欠いている可能性があります。エイメン博士の主張は信じないほうが無難です。どうかご注意ください。
十分な確認なしにエイメン博士の主張を流布するような記事を書いてしまったことを深くお詫び申し上げます。この記事はたくさんの方に読まれている記事なので訂正のためあえて残しておきます。申し訳ありませんでした。
この記事の末尾部分にも追記を行っていますので良ければご覧ください。
※注意※
 当ブログでは情報を伝えるのみで、この情報にもとづいて行動した結果起こる諸問題についてはいっさい責任を負いません。実践のさいはあくまで自己責任でお願いいたします。
 当記事の情報はあくまで参考にするにとどめ、専門の医師による診断・指示・服薬指導に従うことを強くおすすめします。自己判断で薬やサプリを服用したりすることはたいへん危険ですので、できるだけおやめください。
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ADHD/ADDのタイプが自分ではかれる自己診断チェックリストがあった

Twitterで流れてきて感心した。ここ。けっこうな数の設問があるが、精度は比較的高そうだ。

エイメン・クリニック式ADD分類チェックリスト:自己診断@千正.com http://ex.senmasa.com/add/

周囲で見聞きしたり、実際に接するADHD/ADD、あるいはこれらの疑いある人たちにも、それぞれにかなり違う傾向が見えることがある。これが前から気になってはいたが、彼らにもはっきりとした細かい分類があるとは知らなかった。とても参考になった。

ADHD/ADDの人やその疑いがある人だけでなく、ASDの人や、彼らの身辺にいて興味がある人は一度やってみてほしい。

ちなみに私がやってみたら「過集中タイプ」で、「ADD(日本でいうところのADHDに近い概念と思われる)の可能性は低い」と出た。あなたはどれに当てはまっただろうか?

エイメン博士によるADHD/ADDの6タイプ

以下、複数のサイトを比較して理解した6つの特徴をまとめてみた。「≒」はほぼ等しい概念、「→」は併発しがちと思われる精神障害や性格傾向を示した。

※私は当事者であって専門家ではないので、知識不足などで捉え違えている点があるかもしれません。その点ご理解のうえお読みください

1.典型タイプ
[多動と不注意が目立つ≒典型的ADHD]
いわゆる典型的なADHD。落ち着きなく動きまわり、注意散漫。衝動的。

2.不注意タイプ
[多動よりも不注意が目立つ≒ADD]
「うっかり」「おっちょこちょい」「ズボラ」などと言われるタイプ。多動はなく、ぱっと見はおとなしく無気力でスローに見える場合が多い。先延ばし癖があり、遅刻など時間管理の問題が多い。

3.過集中タイプ
[頑固で融通がきかない≒ASD →強迫性障害、嗜癖傾向]
理屈っぽくこだわりが強い。環境変化への適応が苦手。一度はまったパターンを本人にとって良いにせよ悪いにせよやめられない。人からよく考えすぎと言われる。自動思考を止められないことがある。

4.側頭葉タイプ
[ときおりかんしゃくを起こす →DV傾向]
ささいなことでカッとなりやすい。いらだったり爆発したりする時期と、エネルギーが切れてぼんやりする時期とをくりかえすことがある。家族の中にカッとなって暴力をふるう人がいる。

5.辺縁系タイプ
[無気力で低エネルギー →うつ傾向]
むっつり不機嫌なことが多く、エネルギーレベルが低い。自尊心が一定して低く、無気力感や過剰な罪悪感に襲われることが多い。過眠や不眠など睡眠の問題がある。

6.火の輪タイプ
[気分が極端でコロコロ変わり攻撃的 →双極性スペクトラム(躁うつ傾向)]
怒りに満ちていて攻撃的。気分が頻繁に変わる、または周期的に変わる。追い立てられるような早口。ときどき無神経さや残酷さ、過剰なおしゃべり傾向が出る。発想力が豊かだがときに誇大で現実離れしている。

タイプ別の対処法

6つのタイプそれぞれ、対処法や飲むべき薬・サプリメント、理想的な食事が違うようだ。複数のサイトから集めた情報を私なりにまとめてみた。

1.典型タイプ

考えられる原因:
ドーパミン不足

対処法:
刺激薬の服用、高タンパク食品による食事療法

代替療法:
刺激薬の代替としてL-チロシンのサプリメント

2.不注意タイプ

考えられる原因:
ドーパミン不足

対処法:
刺激薬の服用、高タンパク食品による食事療法

代替療法:
刺激薬の代替としてL-チロシンのサプリメント

3.過集中タイプ

考えられる原因:
セロトニン・ドーパミンの相対的欠乏

対処法:
抗うつ剤(SSRI)、刺激薬、高炭水化物食品による食事療法

代替療法:
抗うつ剤と刺激薬の代替としてセントジョンズワートとL-チロシンのサプリメント

4.側頭葉タイプ

考えられる原因:
側頭葉の活動低下

対処法:
抗けいれん剤、高タンパク食品による食事療法

代替療法:
抗けいれん剤および抗不安剤の代替としてGABAのサプリメント

5.辺縁系タイプ

考えられる原因:
脳に活動過多な部位と活動不足な部位がある

対処法:
刺激薬、抗うつ剤(Wellbutrin やNorpraminなどの活性化作用が比較的強いもの)、バランスのよい食事、有酸素運動

代替療法:
抗うつ剤・刺激薬の代替としてDL-フェニルアラニン、L-チロシン、S-アデノシルメチオニンのサプリメント

6.火の輪タイプ

考えられる原因:
脳に広く活動過多な部位がある

対処法:
抗けいれん剤、抗うつ剤(プロザックなど)、その他向精神薬、有酸素運動

代替療法:
抗けいれん剤と抗うつ剤の代替としてGABA、魚油

※「刺激薬」とは
 だいたい以下のものを言う(市販名)。
 ・中枢神経刺激薬
 リタリン、コンサータ、アデラール、デキセドリンなど
 ・非中枢神経刺激薬
 ストラテラ、ウェルブトリン、トフラニール、ノルエピネフリンなど

情報を参考にして、それぞれに合った治療計画を

ここまでの情報を参考にして、自分や周囲の人に合った治療計画を立てる助けとしてほしい。冒頭のチェックリストは受診を迷っている人に役に立つかもしれないし、対処法の項は、病院で処方された薬がいまいち合わない気がするとか、もっと効き目のある薬がありそうだが日本の一般の病院では手に入らない、といった人の参考になるかもしれない。

この記事が、読んでくれた人の役に立てたら幸いである。

情報元URL

注意欠陥・多動性障害 – ADHDの6タイプ – Weblio辞書
http://goo.gl/xbYmoi

タイプ別サプリメント療法 – ADHDと雑感
http://d.hatena.ne.jp/Maman/20050826

ADDの分類とそれぞれの対処法 – 発達障害って治る?
http://jihei.net/adhd-bunrui.html

ADD・ADHD、薬物と副作用について|ADHD・治療薬に頼らない改善方法
http://www.im-adhd.jp/cure/medicine.html

【2016年11月29日追記】エイメン博士は信じないで

昨今のWelq炎上などを受け、私も信憑性に乏しい記事を書いていたらいけないと思って改めてチェックしたところ、どうもきなくさいことがわかってしまった。

Wikipediaによれば、エイメン博士は実は医学的根拠に乏しい独自の画像診断を彼のADD/ADHD分類の根拠としており、その点について広く批判を受けているとのことだ。(Wikipediaの記述すべてが100%正しいとは思わないが、ある程度の参考にはなると考えている)

英語版のWikipediaの項目の中には、「ずいぶんサプリでビッグなビジネスしてるねえ」といったようなことを専門家が言っている部分も出てきた。

極めつけがワシントンポストのこの記事。2012年の記事だが、かなり批判的な内容となっている。脳の画像診断を含めた初診1回の値段が3500ドルとかなり高額なのにも驚いた。1ドル100円としても35万だ。アメリカ精神医学会次期会長(当時)が「エイメン博士のやっていることは骨相学(19世紀に流行った、頭蓋骨の形で心が規定されるという疑似科学)みたいなものだ」といった主旨のことも言っている。

Daniel Amen is the most popular psychiatrist in America. To most researchers and scientists, that’s a very bad thing. - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/lifestyle/magazine/daniel-amen-is-the-most-popular-psychiatrist-in-america-to-most-researchers-and-scientists-thats-a-very-bad-thing/2012/08/07/467ed52c-c540-11e1-8c16-5080b717c13e_story.html

私としてはエイメン博士の主張を信じることはまったくおすすめしない。根拠を十分に精査せずに記事を書いて申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。

【2016年11月29日追記】より信憑性の高いと思われるADHDチェックリスト

・イーライリリー(ストラテラ製造販売)による

ADHD症状チェックリスト:成人(18歳以上)用|大人のためのADHD情報サイト http://adhd.co.jp/otona/selfcheck/
子どものADHDチェックリスト|親と子のためのADHD情報サイト http://adhd.co.jp/kodomo/#!selfcheck_1

・ヤンセンファーマ(コンサータ製造販売)による

[大人向け]セルフチェック | ADHDナビ http://www.adhd-navi.net/adult-adhd/check/index.html
[親子向け]セルフチェック | ADHDナビ http://www.adhd-navi.net/adhd/check/index.html
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