読書感想文用のテンプレは悪いのか? ―読書感想文大嫌いだった人間が考えてみた

この記事の所要時間: 40
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小学生の読書感想文向けのテンプレートが誕生したらしい

夏休みだからか、こんな話題が流れてきた。

小学生向けの教材に読書感想文のテンプレが存在する…賛否分かれるTL 
togetter.com/li/859711

まとめの発端になったのはこのツイート。

この方は日本近代文学の研究者でいらっしゃるようで、その後のTLを拝見したら、結局お子さまにはテンプレを使わずに書かせたとのこと。

この方のなさった対応には感服した。私にも当時こんな指導者がいたらよかったのにと思った。これが本来あるべき読書感想文の指導なのではないか。こうして書いた感想文を、現場のセンセイ方が喜んで評価してくれるかどうかはまた別の問題だけれど(現場のセンセイ方への皮肉を込めてます)。

本来批判すべきなのは何なのか

まとめを読んでいると、テンプレの存在それ自体の善悪の問題と、日本の「読書感想文」という文化(?)の善悪の問題がごっちゃに語られている部分があると感じられた。

きっと、読書感想文にはかなりの人が怒りや恨みを抱いているのだろう。読書感想文のテンプレという話題を目にしたときにわーっと過去の感情がよみがえってきて、ついまとまらないままに言及した人もいたのではないだろうか。私も、リアルタイムでこの中にいたら同じことをしたかもしれない。日本の読書感想文指導というのは、明文化されていない曖昧なルールや指示の最たるもの。自閉傾向があってこういったことが苦手な私にとっては、それはそれは苦痛なものだったのだ。

後追いでゆっくり考えてみたのだが、個人的には、テンプレの存在それ自体は責められるべきでないと思う。質の高低については議論の余地があるけれど。批判すべきなのはやはり、日本のこの「読書感想文」という文化(?)なのではないか。

テンプレの存在は悪ではない

テンプレを一見して思ったのは、「ああ、こういうものが私のときにもあったらとりあえず楽だったろうにな」ということだった。

世の中には「課題図書」なるものがあって、夏休みになるとなぜか、その中から1冊を読んで「読書感想文」を書くように求められるわけだ。私にはそもそも、本を読むということを課題にされること自体が意味不明だったのだが(本というのは自分が読みたいものを読むものだと思っていた)、もっとわからなかったのが「読書感想文」だった。

読書感想文と言われれば、こちらは「読書をして得た感想を書く文」だと受け取る。だからそのつもりで書くのだけど、いつもいつも繰り返し指導が入るのだった。「あなたのはすごく面白いし日本語も正しい。でもこれは読書感想文じゃなくて、読書をきっかけに書いたエッセイ。もっと本の内容に触れて」と言われる。

じゃあもう、「文章全体の何割まであらすじを書け」って最初から明言してくれよ、あと、「読書感想文」って言うなよ、別の名称で定義しろよ、というようなことを何度も思った。

もっと言うなら、「○割程度のあらすじを書き、残りの×割で子どもらしく無垢、かつ前向きで向上心のある態度の感想らしきものをひねり出し、大人に達成感と癒やしを与えていい気持ちにさせよ、無料で。返礼としてときどき、文集に載る栄誉や、キャンペーンの名前入りのボールペンなどの粗品が与えられます」ぐらい明言してほしかった。

小学生当時の私にはそんな語彙はなかったのだけれど、当時抱いていた感覚を言葉にすると、あれは無償の感情労働そのものであった。

「社会適応支援ツール」としての読書感想文テンプレ

当時もし上記のようなテンプレがあったら、その労働がだいぶ楽に上手にできて、余った労力をもっと有意義な思考や読書などに使えただろうと思うゆえに、私は読書感想文テンプレの存在を評価したい。以前の記事にも書いたが、技術やツールでもって乗り越えられる不便は乗り越えるに越したことがない。読書感想文テンプレは、当時のわれわれのような、明文化されていないルールをうまく読み取れない発達障害児にとっては「支援ツール」のひとつとして有効に機能するだろう。

教育効果? そもそも、これが教育かどうか自体疑問なのでね… 現状の日本の義務教育で過ごす日々に意義を感じられない子どもにとっては、「とりあえず無難にのりきる」ことが助けになりうるのだ。

…こんなことを考える子どもだったから、当時私を蜥蜴のように嫌う教師がいたのも無理はない。理不尽で穴だらけの指示にも素直に無批判に従う子どもに比べて、扱いづらいことこのうえなかっただろう。この話の詳細はまた別の機会に。

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